このシリーズでは、擬似乱数を用いたシミュレーション計算により、イロレーティングの詳細な性質を調べました。
「イロレーティングの散歩道 2:理想世界の散策」では、実力レートと表示レートが一致している理想世界を散策し、軌跡の頻度分布がほぼ正規分布(中心極限定理)となること、また、その標準偏差がおおよそKの平方根に比例し、K = 16の時には37.5程度、K = 32の時には53.5程度になることを示しました。
「イロレーティングの散歩道 3:ゆらぎのある非理想世界」では、表示レートにゆらぎのある非理想世界を散策し、ゆらぎが大きくなると軌跡の標準偏差が僅かに増加すること、また、イロレーティングがゆらぎに対して頑強であることを示しました。
「イロレーティングの散歩道 4:自己無撞着な世界と安定性」では、散策者の動きと住人のゆらぎとの間に矛盾が生じない自己無撞着条件を考え、システムの安定性を確認し、また、自己無撞着条件下における標準偏差の値が理想世界のものとあまり変わらないことを示しました。
「イロレーティングの散歩道 5:境界による“搾取”の問題」では、世界の住人のレートに上限や下限の境界のある場合を考え、境界には「上位者の表示レートを過大にし、下位者の表示レートを過小にする」という性質があること、また、そのズレは境界に近いほど大きく、最大で100程度になることを示しました。
今回のシリーズは、ここで終わりとなりますが、また機会がありましたら、続編を書くことがあるかもしれません。
- インデックス:「イロレーティングの散歩道 1:序論と目次」
コメント
コメント一覧 (2)
私には難しい部分も多かったので、レーティングについても、数学についても、もっと勉強してみようという気持ちになりました。
ご覧いただき、ありがとうございます。
返事が遅れてしまい、申し訳ありません(コメントのメール通知機能が働いていなかったようです)。