コンピュータ将棋の世界では、棋力を表す指標として“レート”という数字がよく使われます。また、コンピュータ将棋に限らず、ネット対局においても、“レート”というのは“身近な数字”、あるいは人によっては“とても気になる数字”になっているのではないしょうか。
この“レート”という数字の基礎になっているのが、イロレーティングというシステムです。このシステムの基本的な事柄については、
の解説記事にまとめましたので、そちらをご参照ください。ただし、これらの記事では基本的な原理の説明と数式を示したのみで、それが実際にどのように機能するのかについてまでは記しませんでした。また、ネット上を眺めても、その辺の詳細な情報は少ないようです(2016年1月現在)。
このシリーズでは、その点に踏み込んで、“イロレーティングの世界”を様々に散策することにより、イロレーティングの詳細な性質を明らかにしていきたいと考えています。特に、擬似乱数を用いたシミュレーション計算(モンテカルロ法)を活用することによって、実際の数字が見える形で解析を進めていく予定です。
本シリーズが“レート”という数字をより深く理解するための一助となれば幸いです。
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